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大沼甚四郎  昭和17年作

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稀品といわれる大沼甚四郎である。
わずかに残された甚四郎の中でも、保存のよさという点では、
最高のものではないだろうか。
図録などでよく見る甚四郎とは違い、
表情が極めて甘美である。
桜井万之丞の作ではないか、とも一瞬考えたが、
子細に見ると面描や胴模様は、独特のもので、
描き癖など間違いなく甚四郎である。
胴底には、力のこもった筆致で、署名があり、陸奥売店のゴム印が押されている。
陸奥売店のゴム印が押されたこけしは、昭和15年のものが多いのだが、
こけし辞典によると、昭和15年には、深沢要らの懇請により作ったのは2本だけ、
という。陸奥売店で売られたのは、昭和17年である、と書かれているので、
本こけしもそれに従い昭和17年作とした。
それにしても非常にわずかしか残されなかった甚四郎の作品で、
このような完品が出現するとは驚きである。

2009/11/6 金曜日 — 青柳 英介

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